山登り反省

冬の山は怖い。 今回の私の反省をここにまとめたいとおもう。

なぜ山に登ったのか

結論から言うと気分転換するために、私は山に登ることにした。 先月、やんごとなに事情で、精神に多大な負荷がかかり、しばらく仕事を休むことになった。 それの気分転換含め、それら嫌な記憶を忘れるためである。

精神にダメージを受けたときは肉体にダメージを与えるに限る。 これまでは、10キロランニングとかをしていたが、今回はランニングする気が起きなかったので、 山に登ることにした。

登山準備

気軽にやまに登ることにしたが、相応の準備は必要を判断し、登山道具を一式準備した。 登山靴に雨具、リュックに防寒着。いろいろ検索し、最低限の準備はできていたとおもう。

山の選定も日帰りで登れそうなところで難易度が低そうな四阿山というところを選んだ。 四阿山の隣には根子岳という山があり、根子岳->四阿山と登るルートが人気ということなので、そのコースを登ることにした。

根子岳

f:id:mtk-thirty:20210522193407j:plain 登山届もちゃんと出したのち、私は根子岳への登山道に足を踏み入れた。 5月ということもあって、まだ薄く雪が積もり、肌寒く、足元はどろでぐちゃぐちゃになっていたが 特に登るのに問題はなく、サクサクと登ることができた。 すれ違うほかの人も、恰好はちゃんとした防寒着を着ていたが、子供ずれやおじいちゃんおばあちゃんが多く、 難易度が低いことを実感した。

2時間ほどで根子岳山頂に到着。登るにつれて足場が岩だらけになり、角度も上がっていったが、特に問題なく登頂に成功した。 ここまで余裕しゃくしゃくな雰囲気、当初予定していた登山時間よりも40分ほど巻き、当時の私は安心しきっていた。

根子岳から四阿山

f:id:mtk-thirty:20210522193508j:plain 根子岳からみる四阿山方面の景色の絶景具合は本当にびっくりした。 私も写真でなら山の「絶景」やら「名所」やらの写真をみたことはいくらでもあるが、自分自身の目で見ることの違いを痛感した。 なぜなら、写真とは立体感が全然異なるからだ。根子岳四阿山の山頂は距離こそ近いが、その間は急な登山道でつながっており、景色は必然的に立体的なものであった。 そして広がるのは一面の笹。ほんとうに笹しか生えていない。この一帯は笹に侵略され統治されてしまっているようだった。

根子岳四阿山の山間に笹が敷き詰められており、その立体感には感嘆した。

さて、進んだ登山道だが、これまでの道とうって変わって、かなりスリルがある道なりであった。 ごつごつとした岩の横を進まなくてはならず、足元は固く積もった雪。一歩滑れば遭難コースだっただろう。

四阿山

さて問題の四阿山登山に差し掛かった。 上の根子山から四阿山の写真を見ればわかるように、四阿山にはまだかなり雪が残っていた。 これが最大の誤算である。 f:id:mtk-thirty:20210522193435j:plain 行きの根子山の登山道は山の南側を回っており、太陽の光によってだいぶ雪がなくなっていたが、 四阿山の北側は太陽の角度的に日中、日が当たらず雪が全然解けていなかった。

そう私は山を登る準備はしたが、雪山を登る準備はしていなかった。 そのため非常に苦難することになったのだった。

気合で登る四阿山

登山靴であれ、固く積もった雪道は滑りかなり登りずらかった、それに斜面もかなり急で一歩一歩のにもかなり足の踏ん張りが必要だった。 今回必要ないと思いトレッキングポールを買わなかったのがここにきて、響いた。 しょうがないので落ちていた木の棒を杖替わりしたりしてみた。なかなかいい作戦と思ったが転んだ拍子に折れてしまった。

最終的に斜角が鬼のように鋭くなり立って登れなくなった。 追い詰められた私は最後の手段に出る。 手を地面に置き指を立てる。エヴァ2号機のビーストモードさながら四足歩行で地面を這った。

そのかいあってか、マップアプリでは山頂まで数ミリまで近づいた。 しかし無慈悲にもさらに斜面の角度がきつくなっていった。もはや四足歩行ではこのつるつるの地面を登ることはできない。 それが現実であった。

事実に直面し一人うなだれていたとき、下から悠々と登ってくる登山者とすれ違った。 その登山者はトレッキングポールを持ち、足にはアイゼンをはめゆっくりとしかし着実に急な斜面を登って行った。

思い知る装備の差。知識の差。私は四阿山の情報はしらべたが、どれも夏の四阿山のものだった。 冬の四阿山がどんなものでどんな装備が必要なのかわかっていなかったのだ。

地獄の下山

冷静になり、現状を見つめた結果、ここから引き返し下山すべきと判断した。 おそらくこれ以上登れないし、山頂を経由せずに四阿山のもう一つの登山道に強引に行こうとしたが、 地図を見る限りさらに急になっているようでリスクが高そうであった。

ただ引き返すのにもかなり問題があった。なぜなら当初予定していた道よりも1.5倍以上登らないといけないからである。 そう根子岳をもう一度登らないといけないのである。ここから根子岳に向かって四阿山をおり、さらに根子岳を登り、さらに根子岳を降りる。 まさに地獄の下山であった。

山登りにおいて最も体に負担がかかるのは、登山ではなく下山である。 下山における足への負担は登山の比ではない。 登るのは確かに疲れるし、息も切れる、ただそんなものはすこし休憩すれば治るのだ。 下山は足へ蓄積ダメージを加える。これまでさんざん登り疲労がたまった足にこたえた。

途中で何度も音を挙げたが、もうそれしか帰るすべがないため、しぶしぶ下山していった。

その中しみじみ思ったのは、山登りは登りは楽しいが、下りは地獄ということである。 登りではめくりめく景色を楽しめるが、下りはそれどころではない。疲れた足で痛みを踏みしめながら進まなくてはならない。まさに地獄であった。

山登り反省

今回は私が準備不足であったとは思うが、解せないところもある。

いくつもの山登りの準備を紹介するサイトでは、夏の登山を前提にしたものしかなく。 「山に雪が積もっている場合はアイゼン必須」とはひとことも書かれていなかったと思う。 その初見殺しが非常に解せない。

四阿山を検索キーワードにしていくつか検索もしたが、「冬行く場合はアイゼン必須」など情報はなかったように思える。 もちろん私が知らなかっただけだが、こういった初見殺しなりえる情報がわかりやすいところに置かれていないことに違和感を覚えた。

というか四阿山の反対側は遠目から見た感じ、たぶんもう雪解けていて、根子岳ー>四阿山で登ったのに原因がありそうな気はする。

まとめ

まあいろいろ大変だったが、当初の目的だった気分転換は完全に達成したと感じる。 数日足が上がらず、まともに動けず、足関節の痛み、きつい筋肉痛に苛まれたが、むしろそれこそが 嫌な記憶から自身を遠ざけるのに一役買ったきがする。

以上...山登りはしばらくいいかな